東京都と隣接する名栗村(現在は飯能市)。都会に近いほどほどの田舎に住む家具職人が見て、感じた生活、仕事ぶりを伝えます。

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名栗で考えるTPP

1センチくらいの氷が張りました
我が家でも毎晩、毎朝薪ストーブを炊くようになりました。暖かい秋の日が続いたので、今年の紅葉は鮮やかな色が付かずに残念でしたが、もうすっかすっかり晩秋ですね。朝、出勤前に車のガラスに張り付いた氷をガリガリ削り落とすのも日課です。今朝は家の北側に置きっぱなしにしたバケツに厚さ1センチぐらいの氷が張っていました。
 2010年3月に名栗に引っ越してきた時は、いろんな人に「名栗は寒いよ~」と脅されましたが、本当でした。大体いつも、飯能市内よりも2、3度低いし、その飯能も都内と比べれば3、4度低い。冬は、川面を吹く風が飛び切り冷たいです。でも、子ども達は朝、わざわざ外に出て霜柱を踏んだり、家の近くの水流に住む川蟹を観察したり好奇心を抑えられずにいます。
 さて、そんな寒くなった名栗でTPP(環太平洋経済連携協定)について考えてみました。
 TPPについてよく指摘されるのは、反対派からは“関税がなくなって自由に農産物が輸入されると農業が立ち行かなくなる”、賛成派からは“工業製品を輸出するのに、TPPに入らなければ取り残される、競争に負ける”というものです。
 名栗での農産品は、代表的なものはお茶でしょうか。自分たちの楽しむものを残してあとは、製茶業者に持っていき狭山茶として出荷されると聞きました。ほかに、きゅうりやトマトジャガイモなど自分たちの食べるものを自分の畑でつくっている方も多くいます。我が家もご近所さんにいつも野菜分けてもらっています。そういうわけで名栗では本格的な農業はなく、TPPに加入してもしなくても農業は変わりはないでしょう。
 しかし、名栗の主要産業の林業についてみてみると、TPPに加入した後の日本の姿がここには見られるのです。
 木材の輸入自由化は、1960年代に始まりすでに原木などでは関税が0といいます。残っているのは合板や集成材に掛けられる6%などがあるだけ。木材が自由化され何が起こったか?こんなに緑の多い日本で木材の自給率が下がり続け、昭和30年には94%あったのに平成12年には18%まで下降。最近はやや持ち直し昨年平成22年では26%です。
 安い外材の輸入で国内の木材の価格は昭和50年をピークに下がり続けてきました。そして、山に入って切り出してもほとんど利益が出ない状況となり、山に人が入って作業しなくなってきたのです。それは、仕事がなくなることを意味しています。
 名栗では人口の減少に拍車がかかり、バブル期の土地難民の増加で一時、都会からの移入人口が増えたものの、最近ではずっと人口減が続いています。世帯数はそれほど減らないのに人口が減るという現象は、少数の高齢者で構成される世帯が増え、若い人たちが出ていく。子どもを産み育てる家族世帯がどんどん減少することになっています。仕事がないからです。そして、全国の林産地はどこでも同じように、山村文化が徐々に薄れてきました。
 さて、これが名栗の現状です。TPPに加入すれば、日本の農村風景は名栗と同じような道を歩むことが明らかです。
 大規模な農業経営家やブランド農産物をつくる極めて一部の農家を除いて、農家のほとんどは影響をこうむるでしょう。何かと出てくる数字である“コメにかかる778%”の関税が撤廃されれば、日本の農村風景徐々に変わっていくことでしょう。今でも少なくなっている農家の跡取りはますます少なくなます。そして、里山が荒れ果ててしまうことになるでしょう。私のもっとも懸念することです。林業が自由化された名栗の山、日本中の山もおなじですが荒れています。
 里山が人間の住環境に果たしてきた役割はとても大きい。人間が土地に手を入れるからこそ、小さな昆虫や鳥、魚たちが生きて繁栄してきました。自然に囲まれた中で人間たちが暮らし、その環境に根ざした文化を創ってきました。これらの破壊を加速するのがTPP加入だと思います。
 “そんなこと言ったって、日本は工業製品輸出でもっているのだから、TPPに入らなければ未来はない”という声が聞こえてきそうですが、そうなのでしょうか?
 この点については後日、考えることにします。
 
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プロフィール

木工房 春のはな          代表 西尾 正哉 http:/harunohana.net/index

Author:木工房 春のはな          代表 西尾 正哉 http:/harunohana.net/index
埼玉県飯能市の名栗地域で家具職人をしています。

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